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IFRS対応プロジェクト最前線 Part23:減価償却方法変更の記載事例(2012/9/16)

前号で定額法への減価償却方法の変更の動向について記載しました。
今回は、業種別に定額法への変更の状況を踏まえた上で、定額法への変更によって利益に対してどのような影響があったかをまとめてみました。
また、この項の最後に2年間の139社の記載事例の一覧にリンクを貼りました。

まず、定額法に変更した企業を業種別にまとめたのが以下の表です。



最も多いのが、電気機器で23社、これに化学の15社、情報通信の12社が続いて、自動車産業などの輸送用機器も9社と比較的多くなってきています。

また、前年からの動きとしては、輸送用機器が1社から9社に急増し、医薬品と卸売業は、0社から5社に急増しています。
来年に向けて、今年少なかった業種でも増加する可能性が感じられます。

次の表が、定額法への変更が利益に及ぼした影響です。



圧倒的に改善した事例が多く、139社中120社と、全体のを86.3%を占めています。

利益が改善する一方課税所得も増えるので、税務メリットが得られないのにもかかわらず定額法への変更を決定したとも言えるでしょう。

また、定額法への変更によって利益が悪化したのは6社で、以下の企業です。
@ 日東工業
A 日本ユニシス
B 元気寿司
C アイ・ティー・シーネットワーク
D NECフィールディング
E 日本アビオニクス

なお、以下の21社は定額法への変更と同時に、耐用年数や残存価額の見直しも行っています。
(1) 三菱マテリアル
(2) 日本金銭機械
(3) 日新電機
(4) ソニー
(5) SUMCO
(6) 長瀬産業
(7) 丸井グループ
(8) アイ・ティー・シーネットワーク
(9) 日本ハム
(10) ジェーシー・コムサ
(11) 平河ヒューテック
(12) 日本電気
(13) 日本電産コパル電子
(14) エフ・シー・シー
(15) セガサミーホールディングス
(16) 飯野海運
(17) NECフィールディング
(18) 日本特殊陶業
(19) ダンロップスポーツ
(20) 住友ゴム工業
(21) 住友電気工業

今回の調査で参照した、定額法への変更に関する四半期報告書の記載事例の一覧を、以下のリンクからダウンロードできるようにしましたので、今後同様の変更を行う場合に参考にしてください。

償却方法の変更記載例(pdfファイル)

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  Part20:有給休暇引当金の対応事例(2014/1/24)  
  Part21:改定後IAS第19号の退職給付の開示事例(2014/4/3)   
  Part22:有給休暇引当金開示の実態と分析(2014/9/9)    
  Part23:開発費資産計上の実態と分析(2014/11/10)   
  Part24:賦課金の会計処理と固定資産税(2015/11/18)  
  Part25:闇に葬られてしまった有給休暇引当金問題(2016/9/9)   
  
IFRS対応プロジェクト最前線
Part1:影響度調査での重要性(2010/10/19)
Part2:影響度調査が終わったら(2010/10/25)
Part3:グループ会計方針(2010/11/23)
Part4:影響度調査後のプロジェクト体制 (2010/12/9)
Part5:公開草案への対応 (2011/1/7)
Part6:影響度調査の盲点 (2011/1/21)
Part7:IFRS適用時の監査対応 (2011/2/21)
Part8:2011年3月時点でのIFRS対応状況(2011/3/14)
Part9:IFRS適用時期と大震災(2011/4/27)
Part10:中国子会社の決算期ズレへの対応方法(2011/5/18)
Part11:IFRSでの勘定科目体系(2011/5/27)
Part12:グループ会計方針での重要性の判断規準(2011/6/1)
Part13:自見庄三郎金融担当大臣の談話に関する留意点(2011/6/27)
Part14:6月30日の企業会計審議会の議論について(2011/7/14)
Part15:IFRS適用の今後の展開予測(2011/7/14)
Part16:さまざまなグループ会計方針書(2011/8/31)
Part17:IFRS決算体制はいつから検討するか(2012/2/8)
  Part18:馬鹿に出来ない!?最初のIFRS財務諸表をアニュアルレポートで開示するメリット(2012/4/11)
  Part19:金融商品としての売掛金の開示(2012/4/24) 
  Part20:うちはどうするIFRS?(2012/6/19)  
  Part21:膨大な注記への対応(2012/7/31)
  Part22:定額法への減価償却方法の変更の動向(2012/8/27) 
  Part23:減価償却方法変更の記載事例(2012/9/16)  
  Part24:耐用年数変更の記載事例(2012/10/1)   
  Part25:監査法人へのIFRS対応報酬の支払状況(2012/11/12)  
  Part26:IFRS任意適用の動向(2013/4/2) 
  Part27:J-IFRS(日本版IFRS)のねらい(2013/6/20)  
  Part28:IFRSの任意適用を拡大させる第一弾か?(2013/6/23)   
  Part29:IFRSの任意適用拡大に向けての経団連の期待と役割(2013/9/2)    
  Part30:日本企業同士の合併とIFRS(2013/10/11) 
  Part31:新指数『JPX日経インデックス400』はIFRS任意適用拡大に影響があるか(2013/12/24)  
  Part32:自民党・日本経済再生本部の「日本再生ビジョン」におけるIFRSの記載(2014/6/5)
  Part33:骨太の方針とIFRS(2014/6/27)  
  Part34:任意適用積み上げの動向と強制適用の可能性(2015/1/13)     
  Part35:注記情報の大幅削減が可能に!!(2015/2/9)  
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  Part38:IFRS適用の対応コスト(2015/6/9)     
  Part39:4つの会計基準収斂の方向性(2015/6/9)  
  Part40:IFRS財団は日本の現状をどう見ているか(2015/7/28)   
  Part41:丸紅の初度適用(短信からの初度適用)(2015/9/8)   
  Part42:単体財務諸表へのIFRS任意適用の動き(2016/9/9)
  Part43:米国基準を適用している企業の動き(2017/3/15)
  
中田版『IFRSの誤解』 
Part1:包括利益(2010/8/6)
Part2:連結の範囲 (2010/8/30)
Part3:棚卸資産会計(2010/9/27)
Part4:IFRS適用時期(2010/10/05)
Part5:海外子会社の機能通貨(2010/10/12)
Part6:収益認識(FOBとCIF)(2010/11/8)
Part7:初度適用と海外子会社のPL換算(2010/12/29)
Part8:IAS第16号の「一会計期間」は「一年」(2011/1/14)
Part9:海外子会社の機能通貨(その2)(2011/3/7)
Part10:子会社の会計方針の統一(2011/3/28)
Part11:IFRSは時価会計的でM&Aのためにある(2011/7/25)
Part12:IFRSは投資家にとっても役に立たない(2011/8/1)
  Part13:300万円ルールなどがないIFRSではすべてのリースがオンバランスになる(2014/2/24)   
  Part14:開示義務の明文規定がある場合には、すべて開示しなければならない(2014/5/9) 
 
勝手に解説『山田辰己理事のIASB会議レポート』
Part1:連結子会社の開示
 (2010/8/17)
Part2:概念フレームワーク
 (2010/8/23)
Part3:アメリカの動向(2011/8/23)
 
『グループ法人税制が与える連結決算への影響』
Part1:固定資産未実現に係る税効果の会計手続き(譲渡損益調整資産の取扱い)(2010/9/7)
Part2:連結法人間の寄附金に係る税効果の会計手続き
(2010/9/13)
Part3:中小特例の取扱い(2010/9/21)
 

『やさしく深掘り IFRSの概念フレームワーク』
『やさしく深掘り IFRSの有形固定資産』
『わかった気になるIFRS』
『連結経営管理の実務』
『内部統制のための連結決算業務プロセスの文書化』


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